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2012/02/23(木) 01:12|震災

街のなかの村祭り

  仙台も最高気温が5度を超えるようになり、少し寒さが緩んできました。
 これまでの寒さで、仮設住宅の水道管が凍結・断水して慌てて布をかぶせている、という話を聞いてやりきれない思いでいました。宮城県で水道管むき出しでは凍結するのはわかりきっていることですが、行政の対応は本当に常に後手後手です。

 2月10日の日経新聞の社説に「震災から11ヶ月経ち、被災地では仮設住宅の整備や道路などのインフラの復旧はおおむね終了した。」と書いてあって目が点になりました。どこの話をしているのでしょう? パレスチナ・オリーブの目の前の道路は、「これから補修に入るため3月末まで一車線減少します」と連絡がきました。道路の補修は3年かかると言われています。「路面下空洞」も多数見つかっています。浄化センター(下水処理場)の再建も3年かかるそうです。
 沿岸地域は、利用計画は発表されても異論も多く、交通、電気・水道など何も復旧していません。集団移転のため買い上げとなる土地も、仙台市で坪あたり1万円程度の金額が言われていますが、他の市町村では数千円という話も聞きました。元値をはるかに下回る厳しい価格です。
 近所でも地震で被災した住宅の取り壊しがあちこちで行われています。行政の負担による取り壊しの期限が迫っていることもあるようです。解体直前の素敵な古民家の方にお会いしたのですが、あれこれ道を探ったけれど取り壊ししかないと、とても残念がっていました。

 今更ですが、仙台・宮城はずっと「被災地」です。毎日、体に感じる余震があり、ずっと震災と向き合う日々。行き交う人が全員被災者で、ここで、震災に関係ないことなんて何一つありません。
 先日、パレスチナ・オリーブの大家さんにばったり会いました。大家さんの事務所が津波で流されたのは知っていたのですが、「賃貸契約書自体も、契約書のひな形も何もかも流された(契約の中身も分からなくなっている)」と聞いて、それに思い至っていなかった自分に驚きました。震災後「言われればそうだけど全く思い至っていなかった」は数多くあるのですが、震災後1年近く経ってこんな身近なことがわかっておらず、衝撃でした。

 そんな中、先週末の19日に「おとのわ」が開かれました。
 東北から子ども達の安全な未来とあたらしい暮し方を自分たちの手で育み、発信していけるよう音楽をエネルギーに、歌い、踊り、つながり合う場。
 すごかったです!! とても暖かな空間でした。
 コミュニティカフェのブースにいたので、全然ライヴの会場に入れなかったにもかかわらず、楽しかった〜。(子ども向けのイベント、というわけでもないのに)本当に子連れで来た方が多かったです。小さい子どもが100人はいたと思うのに、騒がしい感じは全くありませんでした。本当にいろいろな方が集ってくれました。
 放射能情報を求めてきた方にも、いろいろな人/団体を紹介してつなぐことができました。「福島応援チケット」での入場もありました。
 ミュージシャンの皆さんも普通にブースに来て、ネパリ・バザーロのフェアトレードコーヒーや、七草農場の人参ジュースを代金を払って飲んで下さいました。
 参加者の皆さんもみな、楽しんでくださったようです。「おとのわ」の当日と数日間の感想ツイートの嵐。読んだら泣けてしまいました。みんな、こういう集まりを待っていたんですね。

 この「おとのわ」の中心スタッフであり、「せんだいコミュニティカフェ準備室」で一緒に活動している「book cafe 火星の庭」の前野さんのインタヴューが宮城県の復興応援ブログに載りました。仙台の様子をよく伝えていると思いますので、ぜひお読み下さい。

宮城県復興応援ブログ「ココロプレス」


追伸:
仙台・宮城での暮らしを提案していく : 避難移住/保養を紹介する
測定して不検出なら宮城の野菜(食材)を使う、売る : 土壌汚染の心配のない遠方の野菜を使う、売る

 などなど。
 いろいろな意見があると思いますが、私は、どちらかではなく、両方やっていくしかないのだろうと思っています。ただ、(野菜に放射性物質が移行しなくても土壌にはあるので)農家さんの被曝問題をどう考えたらいいのだろうと思います。
この記事のURL:https://himar-diary.jugem.jp/?eid=38


2012/02/17(金) 00:06|読書記録

『エジプト革命』/『We』176号

  シリアで何が起きているのかニュースを見ているだけではよくわからず、市民が亡くなるような事態をただニュースを見ているしかないのか、やりきれないです。1月半ばに反原発世界会議で来日されたヨルダンの国会議員の方たちが、シリアからヨルダンへの難民が増えていると言っていました(「原発? No Thank you!」の集会報告はJSRメルマガの1月21日号に掲載されました。サイトから読めます)。
 2011年、世界的には一番のトピックは中東の変動だったでしょう。私も2011年始めには、十数年前にカイロのタハリール広場に行ったことを思い返したりしていました。エジプトの状況をよく知らなくても、「自由の声」をYoutubeで見たときには、涙ぐんでしまいました。エジプトでも世界中でも視聴された曲ですが、わかりやすい歌詞とメロディー、笑顔の人々の映像。でも、そのときには、ムバラク大統領から軍最高評議会に統治権が委譲されたとしても、何が変わるんだろうと思ったりもしていました。パレスチナの生産者団体の一人が「エジプトの運動を見て、自分がアラブ人だということを初めて誇りに思った」というようなことを言っていても、その興奮の意味がよく分かっていなかったのです。
 いま、長沢栄治さんの『エジプト革命』(平凡社新書、2012.1)を読んでいます。ムバラクが倒された、というのはどのような背景があって、どんな動きをもたらしたのか。とても勉強になっています。
 チュニジア、リビアはいまどうなっているのか。震災以来、仙台・宮城の生活と中東のできごとをうまく結びつけて感じることができませんでした。リビアへの欧米の介入、ひどいことが行われていそうだとは思っても、イラク攻撃のときのようには怒りを感じることができなかったと思います。『オルタ 特集:アラブ革命はこれからだ!』(PARC、2012年1・2月号)も読んだり、少しずつ、中東とのつながりを結び直しています。(パレスチナの人たちも当然アラブの動きを見ている訳ですから、アラブの動きを何も知らずにパレスチナの生産者と話もできないと思うのです。)

 そして。フェアトレードと震災支援。12月3日に行われたシンポジウム「被災地支援にいかされた<支えあいの知恵>〜フェアトレードからの発信〜」のまとめが『We 特集:支えあって軽やかに生きのびる』176号(フェミックス、2012年1・2月号)に掲載されました。ネパリ・バザーロさんや第3世界ショップさんが、フェアトレードの経験を生かして、どのように的確に被災地支援をされたのか。とても勉強になります。
 この特集の最初に載っているのは、武藤類子さん(ハイロアクション)のロングインタヴューです。震災後のことだけでなく、武藤さんの生い立ち、脱原発運動へのかかわり、山を開墾してお店をつくったこと、などまとめて知ることができます。
 「さようなら原発5万人集会」でのすばらしいスピーチもあって、いまや時の人となってしまった武藤さん。福島県三春町にある「里山喫茶 燐」でずっと、オリーブ商品を扱ってくださっていました。私がお店に伺ったのは5年くらい前でしょうか。森の中、とても気持ちのよいお店で、息子が眠ってしまったことを覚えています。「身の回りの野草で何が食べられるのか、いろいろ試している」「どんぐりは(渋みを抜くのに)もっといい調理法があるはずだ」などと話されていたのが印象的でした。どんぐりなど木の実はとりわけ多く放射性物質を取り込んでいます。もう三春のどんぐりは食べられません(宮城のどんぐりも無理でしょう)。
 2011年3月26日〜2012年3月26日までの1年間を「ハイロ(廃炉)アクション年」にしようという呼びかけで2010年11月に結成されたのがハイロアクション福島原発40年実行委員会です。私はこれに賛同し、2011年3月26・27日にいわきで行われる予定だったオープニング集会のチケットを持っていました。本当に悔しい。
 『We』176号、オススメです。ぜひお読み下さい。パレスチナ・オリーブでも少し取り寄せましたので、ご注文頂けます。

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2012/02/07(火) 00:03|震災

コッペさん

 1月8日、せんだいコミュニティカフェ準備室で協力している「暮らしのシェア」の第6回で、「パンとクッキーの店 コッペ」の飯嶋さんから話を伺いました。パレスチナ・オリーブで扱っている、オリーブオートミールクッキーとザータルスティックをつくって下さっている仙台のお店です。
 障害のある人もない人も一緒に働き、街の中のパン屋さんとして20年以上やってこられました。パレスチナのオリーブオイルを使って作っているオートミールクッキーは「食べだしたら止まらない!」と根強い人気があります。
 これまでどうやってきたのか。震災時、震災後、ライフラインや流通が止まった中でどうしたのか。障がいを持った人たちが震災で直面したこと。原発事故後、新たに出てきた問題にどう対応していくのか。今回も中身の濃いお話です。ぜひ、お聞き下さい。


 なお、オリーブオートミールクッキーとザータルスティックの原材料の国産小麦については、2012年2月製造分までは、昨シーズン(2010年収穫)の小麦を使用いたします。その後については、製粉会社は青森産小麦を中心に国内産小麦を販売、ロットごとに測定予定です。クッキー製造者のコッペさんの測定態勢など、後日報告いたします。飯嶋さんのお話にもあるように、市民測定室なども利用予定です。

追記:2012年4月製造分まで2010年産の小麦を使用することになりました(2月17日記)。
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