私は夏の暑さに異常に弱いのですが、やっと夜は涼しくなって来たので、ブログを一気に更新です!
宮城県も、重点調査地域(*)を中心に、除染が各地で始まっています。基本的に、除染は移染でしかない上に、時期が遅い(1年半も経ちました!)、やり方がまちまち、私有地の除染は個人に任せられている、除染に従事している人の健康が心配など、問題山積です。
【重点調査地域】放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域。宮城県は9市町村が指定されています。1時間あたり0.23マイクロシーベルト以上の区域を対象に調査、除染を実施。
宮城県南部の白石市が広報がpdfでサイトに上がっています。除染のスケジュールや水田への塩化カリウム散布、薪風呂などの焼却灰の処分の注意(各家庭で保管)、、、事故から1年半経ってこういう状況。辛い気持ちになりました。
これらのことは、私にも全く他人事ではありません。以下、ご参考まで(6月のことですが、書こうと思っている間に3ヶ月過ぎてしまいました)。
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去年5月、ガイガーカウンターを手に入れて自宅周辺を計測したところ、自宅前の道路の側溝が地表近くで1.0マイクロシーベルト前後で、その後もずっと0.7~0.8マイクロシーベルト程度ありました。坂道の下のために側溝に土が堆積していたのです。しかし、鉄製のふたが外せず、汚染土をどうすればよいのかもわからないので、やむなく放置していました。
今年の6月1日。
0.23の除染基準も一応できたので、お昼前に突然思い立って、仙台市の危機管理室に電話して対応を求めました。危機管理室では、まず地上何cmで計測したのか確認されました。0.23の基準は地表ではない、と。「問い合わせはあるのですが、50cmで計測すると基準値以下なんですよ」
とは言うものの、仙台市太白区の道路課につないでくれ、夕方、さっそく道路課の方が来て地上50cmで計測してくれました。問い合わせや計測は多いのでしょうか。手慣れた感じでした。
結果は、5回連続計測で、0.31~0.33くらい。
区役所の人は、側溝が仙台市の市道かどうか、とても気にしていました。側溝より内側は確実に市道なのですが、側溝は市道と私道の境界で微妙だったのです(私の所有地ではないです)。
そして、この側溝が市道に入るのだったら「仙台市の市道で初めての基準値超え」と言っていました(測っていないだけでしょうけれど。そんなことあるのでしょうか、、、と思いました)。
側溝が私有地ならば、民間で掃除するべき、ということのようでした。
「費用は東電に請求すればよいのか?」「除染業者を紹介してくれるのか?」「(基準値超えの)汚染土はどこに処分するのか?」なども訊いてみましたが、全然わからないとのこと。
いずれにしろ、まず、下水道課に連絡すると言っていたので、私も様子を見ることにしました。
6月6日。
突然、「仙台市から清掃を頼まれた」ということで、委託された民間業者の方が調査に来ました(たまたま自宅にいたから気がつきましたが、私には何の連絡もありませんでした)。
放射線量が特別高い側溝の端だけでなく、土砂がたまっているところ全体の「掃除」を頼まれたそうです。「気をつけてくださいね」と防塵マスクも渡そうとしましたが、いらないと言われました。「福島では、もっとすごいところやっているから〜。いま、汚染土が処理ができないから(置く場所がないから?)、清掃を止められているくらい」=ここはたいしたことがない、と。
地表で0.7マイクロだったら、キロあたり8000ベクレル以下、の処理基準も超える可能性もあります。土砂が堆積していなかれば、たんに川や海に流れ出ていた放射性物質たちなのでしょうけれど、、、。
仙台市の危機管理室に「除染」を求めた結果が「掃除」(民間業者委託)。
とりあえず電話、と思って対応を求めましたが、そんなにすぐに対処してくれると思っていませんでしたし、全体の「清掃」になるとも思っていませんでした。水で濡らして機械(車)で吸い込み、どこかに運ぶ、、、。除染はして欲しいけれど、どこかで適当に処理されるのも困る。とても対応を迷いました。
自分に余力があれば、適切な処置を求めるとか、除染前に「清掃ではなく除染だから気をつけるように」と近所に知らせるとか、マスコミや議員にも知らせてみる、とかいろいろ方法はあったと思います。忸怩たる思いです。結果として、私は経緯をいくつかのMLに流して情報共有することしかできませんでした。
6月7日。
6日に調査があり、7日に清掃が始まりました。9時〜17時に「側溝の清掃をします」ということで、仙台市と業者の連名で近所にチラシが配られました(「除染」とは一言も書いてありませんでた)。小中学生の登校は終わった時間帯です。土に水をかけ、バキュームカーのような車に吸い込んで行いく、という方法でした。側溝にブルーシートをかけながら汚泥を吸い込んでいましたので、そんなに飛び散らなかったと思います。こぼれた汚泥、水は洗い流していました。ミニホットスポットは、40〜50センチ四方、深さも40センチくらいだと思いますが、結局、2日間かけて、道路200~300メートルくらいの両側の側溝を全て掃除してくれました(場所によっては泥もたまっておらず、そこは放射線量も低いですが)。
作業員さんたちは普通の道路工事の格好でした。吸い込まれた汚泥は、会社で処理した後、最終処分場に運ばれる、と聞きました(処分場は仙台市の隣でした)。
また、「除染」を求めたのに「清掃」になった件について、仙台市の危機管理室に電話して確認しました。担当の方は「それは言い方に過ぎません。除染には清掃、覆土、撹拌などありますが、今回は取り除く、ということで」と話していました、、、。
「清掃」の結果、地表5センチで0.7~0.8マイクロあった場所が、0.1以下になりました。側溝というコンクリートの箱にあった汚染土がそっくりなくなったわけです。
自宅の前から汚染土がなくなったとはいえ、汚染土としてではなく、通常の汚泥として処理されてしまった、というグレー決着で大変複雑な気持ちになりました。
結局改めて思い知らされたのは「宮城でも福島でも、汚染物質を管理するための施設がまだないんです。遅いですが」と危機管理室の人さえ認めていたことでした。
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それから3ヶ月。ちょうど、河北新報に福島県の除染に関する記事が載りました。
地元の河北新報(東北地域をカバー)、震災後に購読を始めました。原発事故の問題に限らず、まだまだ毎日、震災関連ニュースです。
サイトで読める記事もありますので県外の皆さんもたまに読んでみてください!
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