すっかり寒くなりました。厚手のコートを引っ張りださないといけません。
仙台は、地震の影響による建物の取り壊し、下水道や道路の補修などが延々と続いていて、騒音や粉塵が絶えることがありません。一方、沿岸部では、石巻の建築現場で労災が急増している、という報道がありました。
10月初めに、パレスチナ・オリーブ通信『ぜいとぅーん』49号を出しました。しばらく、震災報告が続いていましたが、久しぶりに、パレスチナのことをまとめました。その中で宮城県の高校生がイスラエルを訪問したことを書きました。宮城県以外ではあまり知られていないと思うので、原稿そのままですがブログにアップします。
宮城・高校生 イスラエル訪問
日本イスラエル国交60周年と被災地支援が一緒くたにされて大変複雑な気持ちになっています。
宮城県在住の13人の高校生が7月31日〜8月10日、イスラエル各地を訪問しました。
日本イスラエル親善協会による研修旅行としてであり、国交60年の記念事業の一環でもあります。
イスラエルは、震災直後の3月末から2週間、宮城県南三陸町に医療団を派遣しました。その「お礼」を述べるために軍施設や外務省を訪問したほか、イスラエルの高校生と交流したり、キブツを訪問したりしました。さらに、イスラエルのハイテク技術が被災地復興に役立つだろうとイスラエル企業も訪問しています。水耕栽培の技術を持ち、宮城県の津波被災地に点滴かんがいセットを寄付したメーカーにも訪れています。担当者は「海水に浸かった地域でも、放射性物質で汚染された地域でも農業を続けられる」と自信たっぷりに語った、と新聞報道にはありました。
突っ込みどころ満載の訪問でコメントのしようもないのですが、「イスラエルのことをもっと知りたい」「イスラエルに留学して勉強したい」と言う宮城の高校生たちに、パレスチナのことも知って欲しい、と願うばかりです。
さらに。8月6日、エルサレムで国際芸術工芸祭が開幕し、「仙台七夕まつり」の七夕飾りが会場に飾られました。国交60年を記念し、仙台市の経済人らがイスラエル政府に飾りを寄贈したそうで、上記の高校生たちもイベントに参加しました。
そして。8月7日には、イスラエルの駐日大使が仙台七夕まつり開催中の仙台市を訪れました。イスラエルの小学生たちがつくった折り鶴約4千羽を、仙台市内の業者が両国の国旗をあしらったくす玉と吹き流し計5本に仕上げ、「イスラエルと仙台市民の友好を示す象徴」としてセレモニーも行われました。駐日大使は、宮城県私立中学高等学校連合会に目録を贈呈しています。連合会は、上記の宮城・高校生のイスラエル派遣に協力しました。
私は、全て、新聞報道で後から知りましたし、何の抗議もできませんでした。でも、震災が利用されていることが堪え難くて、ここに書きました。