大好評だった『てとてと秋2012』から半年。『てとてと春2013』ができました。
今回は「それぞれの選択鵺」として、農家さん、パン屋さん、陶芸家さんなど、宮城県の各地で、放射能に向き合いながら生業を続けている皆さん、移住して再スタートした皆さんの声が寄せられています。一人一人の人たちが、具体的に何を考え、どう対応して暮らしているのか。それをぜひ、知って頂きたいと思います。故郷を離れた人だけ生活が一変したのではないのです。残った人たちも、とくに、自然に添った暮らしをしていた人ほど、原発事故後は、同じ場所に暮らしながら、今までとは違う生活、対応をせざるえないのです。そして、それは毎日のことであり、これからもずっと続くことです。
印象的だった、最初の農家さんの言葉をいくつか抜粋します。
(部分抜粋ですから、意図がずれて伝わる可能性もあります。ぜひ、お買い求めになって記事全体をお読み下さい)
「事故の後、ハウスのほうれん草を急いで出荷したんだ。危ないかもしれないと思ったけど測れないし、どうしようかと思ったけど、きれいごとは言っていられなくてさ。生活が懸かっているから出すしかなかったんだ。心の中がとんでもなかった。測りもしていないのにだしているってことが苦しかったなぁ。その代わりどんなこどがあっても露地のほうれん草は出さないって。アスパラは自分ちで取れたものだからうちでは少し食べたけど、出荷はしないで捨てた。市場は出荷停止になっていないから出荷はできたと思うけど、『出せないもんは出せない』、これは直感」
「周りの人たちは気にせずやっているけど、作れる人間と俺みたいに作れない人間といるんだ。農地の状態を見て納得しないうちはできないって思った。ハウス栽培は変わらずにやっているけれど、もしハウスの中も汚染されたら農業はあきらめるかなって思ってた」
「最初は怖くて測れなかったんだ。野菜から調べられなかったもん。ここなら低いだろうと思える場所の土から調べた。受け止められないから自分を慣らすために。だんだん近付いて途中で野菜を測って下限値以下なのを確認してから『ここは高いだろう』というところを測った」
他の農家さんはこう書いています。
「震災から2年経っての今の心境は、、、。苦悩するチカラを試され続けているということ」
「現状としてはまったく対応は追いついていないし、結果的には難しいしわからないことばかりです。認めたくない心情もあって酒へ逃げる時も多々あります。」
ぐたぐだな気持ちは文章にならないから、皆さんきちんと書かれていますが。誰も正解を持っている訳でもなければ、割り切れている訳でもありません。文章に書けないこともあるのだろうと想像していただきながら、宮城の現状の一端をぜひお読み下さい。
(私自身は「てとてと」のメンバーではありません。勝手に宣伝係?です。)
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(1冊 500 円:A4 サイズ中綴じ小冊子:上質紙 30 頁フルカラー)
【内容】
○表紙 ---- 写真 : 山中環 /詩 : 三田さえ子 ( てとてと )「かみさまは」
○コラム ---- 素朴料理研究会 : 原田明子 ( てとてと )
○日々多感 - 測定室から
- 測定室より新企画のご案内と今後の活動についてのご報告 : 北林康
- みんなの「てとてと」であり続けるために : 杉山仁子
- 土壌測定から見えてきたもの : 北村保
○特集 それぞれの選択 II~いのちの世界からいただき続けるために
- ここで生きる だから測る : 村田町 岡崎秀夫
- もっと大事なものは : 角田市 佐藤準一
- 前を向いて生きよう ! 宮崎県へ移住 : 匿名希望
- それでも、人生にイエスという : 名取市 三浦隆弘
- 見えない雲の下で : 角田市 陶芸家 池田匡優
- 未来からのまなざし : 宮城県北部 木村さゆり
- ひっぽのはじめの一歩 ~ 未来に向かって ~: 丸森町 吉澤武志
○てとてと勉強会だより 三田常義/さえ子(てとてと)
○うた「あたし みーにゃん」: しょんつぁん ( てとてと )
○ご報告とお願い : 事務局/編集後記 : 通信班
○裏表紙 - 夢をみることを思い出した : すみやのくらし : 佐藤光夫/円 ( てとてと )
みんなの放射線測定室「てとてと」の第三号となる通信「てとてと春 2013」ができあがりました。 前号の「てとてと秋」では「それぞれの選択 今 そしてこれからをたいせつに生きるために」という 特集を組み、3・11 以降、移住、避難、この地に残ることを選択した方々に文章を寄せていただきました。
「原発事故でこんな大変なことになっているなんて」、「ひとつの正解で片づけられるようなことが起 きているのではない、ということを深いところで気づけた」そして、「そもそも何のためにこうした状 況が起きたのか、目をそらしてはいけないと思った」・・・など、たくさんの声が「てとてと」に届け られました。販売にご協力いただいた方々に心から感謝しています。
今号では「それぞれの選択II いのちの世界からいただき続けるために」という特集を組み、土に、 山に、田畑で取れる作物に深くつながって暮らしてきた 7 名の方に執筆をお願いしました。食べ物だ けではありません。水も空気もエネルギーも何もかもが自然界からのいただきものです。原発事故で 自然界が汚染されても、それでも、私たち「人間」は、自然界からいただき続けなければ生きていけ ないのです。執筆者の方々も私たちも迷いながら手探りで歩んでいます。このところ盛んにあちこち で目にする「風化」という言葉。放射能汚染のただなかで暮らす人たちは、忘れてしまいたくて「風化」 を口にし、放射能から遠く離れて暮らす方々は忘れてしまっている自分を許すために、社会全体が「風 化」したことにしているのではないか・・・。 一人一人の方が、福島原発事故で起こったこと、それがもたらしたことに思いを運んでくださった なら、きっと変わっていける。どうか執筆者の方々の言葉があなたの胸に届いてくれますように。 なお、売上金はてとてとの活動費にあてさせていただきます。販売にご協力をいただけると嬉しい です。
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【ご購入方法】
- 冊数、送り先を書いて「てとてと」にご注文ください。電話、FAX、メールのいずれでもかまいません。
- 送料はご負担いただきますが、10冊以上は送料無料になります。
- お支払いは後払いです。冊子に郵便払込用紙を同封します。( 振込み手数料はお客様負担になります )
- バックナンバー『てとてと春 2012』(A4 サイズ中綴じ小冊子:上質紙 20 頁フルカラー :2012 年 4 月発行 :300 円 )、 『てとてと秋 2012』(A4 サイズ中綴じ小冊子:上質紙 38 頁フルカラー :2012 年 10 月発行 500 円 ) も在庫ございます。
- 販売していただける取扱店なども募集中です。( 詳細は直接ご相談下さい )
- 詳しくは、「てとてと」まで。
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