何度、同じことが繰り返されるのでしょう。
ガザ地区への空爆のニュースが流れ、死傷者の数字ばかりが増えていきます。そこからだけでは、なかなか人々の暮らしが想像できないでしょう。ワールドカップの中継を見ながら殺されてしまった人たちの生活のことが。
パレスチナ子どものキャンペーンが、ガザの人々からの報告を連日アップしています。
しかし、今回、空爆以外のことも同時に起きています。
7月3日のブログに書いたように、今回はまず、「捜索」の名目で、ヘブロン地域(ヨルダン川西岸南部)への軍事侵攻、封鎖、数百人の大量逮捕から始まりました。東エルサレムでパレスチナ人の少年が焼き殺されてからは、東エルサレム、ヨルダン川西岸地区、イスラエル内のパレスチナの町や村(オリーブオイルの生産地であるガリラヤ地方やワディ・アーラ地方)にも抗議活動が広がり、イスラエル軍・イスラエル警察の弾圧が起き、多数の人がが負傷し、さらに数百人が逮捕されています。7月の最初の週末で逮捕されたイスラエル内のパレスチナ人110人のうち、半数が未成年者と報道されていました。もう計算もできませんが、日々報道されている逮捕者の数を足すと1000人前後になると思います。
一方、一般のイスラエル人によるヘイトデモ、イスラエル人入植者によるパレスチナ人への襲撃も、毎日のように続いています。
イスラエル人入植者に誘拐され殺された東エルサレム(ショファート地区)の少年は、生きながら焼かれるという、無惨な殺され方だったことが明らかになりました。6人のイスラエル人が逮捕されていますが(未成年含む)、彼らは友人同士で、特定の過激派右翼には属していなかったそうです。
ナザレで「アラブ人に死を」「左翼に死を」「お前の母は売春婦」と騒ぐユダヤ系イスラエル人の群衆の映像を見ました(ナザレは、イスラエル内のパレスチナの最大の町ですが、隣接してユダヤ系のイスラエル人の町「上ナザレ」がつくられました)。断片的なニュースが多く、どこまで広がりがあるのかわかりませんが、国家/政府だけではない動きに怖さを感じました。
しかし、さらにある映像を見ました。エルサレム(東エルサレム、旧市街近くのようです)で、イスラエルの旗が乱立するイスラエル支持のイスラエル人の集会。そこに、パレスチナ人の抗議の声も聞こえます。その前で、ユダヤ教徒としてキッパをかぶり、パレスチナへの連帯の気持ちとしてハッタを巻いたユダヤ系アメリカ人の若者がイスラルへの抗議、パレスチナの権利を守ること、アメリカ政府の責任を話しました。彼は、イスラエル警察に羽交い締めにされ、逮捕されました。
ヘイトデモに対する抗議の活動があるとき、警察はヘイトデモを守るかのようで、カウンターの活動をしている人の方を逮捕してしまう。これは、イスラエルに特別なことではなく、日本でも(つい先週も)起きていることです。
私は、たまたま、『ネットと愛国-在特会の「闇」を追いかけて-』を読んでいる最中で、いろいろ考えさせられてしまいました。イスラエルのヘイトデモ参加者も、パレスチナ人を襲撃するユダヤ人入植者も、一人一人はみな「普通の人」だろうに。
そして。東京では11日にイスラエル大使館前で抗議行動が行われました。
しかし、イスラエル大使館に抗議する以前に。日本の警察が、抗議参加者にハンドマイクを使わせない、抗議参加者を排除しようとする、という状況だったようです。
山本太郎さんの発言が真っ当です。「イスラエルと日本は似ている。ともに同盟国(米国)だのみで周辺国との関係も悪い。日本は武器輸出解禁でますますイスラエル化する可能性がある。イスラエルがガザでやっていることは戦争ではない。屈指の軍事力を持つ国が一所に集めた人に対して行う“大量殺戮”だ。」→詳しくは
こちら
さらにあります。
「経済産業省は、イスラエル経済省との間で『日本国経済産業省とイスラエル国経済省との間の協力覚書(MOC)』を締結しました。7月6日、茂木経済産業大臣がイスラエルへ訪問し、イスラエル国ナフタリ・ベネット経済大臣との間で本件に係る署名を行いました。」
これには、セキュリティ産業も含まれます。→詳しくは
こちら
封鎖されて逃げ場もないガザ地区への空爆は、本当に虐殺としか言いようのないこと。ピンポイント爆撃なんてありえません。多くの死傷者が出ているだけでなく、たとえば、下水処理施設の電源となるオイルが不足していた上に、爆撃で施設が壊され、地中海への環境・衛生問題も深刻となっているそうです。しかし、たとえハマースの軍事拠点(といったものがあるとして)への空爆だとしても、圧倒的な軍事力を背景に、暗殺したり、建物を壊したり、は認められないことです。
そして、さらに。それだけではない問題が、私たち自身の政府の問題も、たくさんあるのです。
イスラエルがガザのインフラを壊して、国際援助で(イスラエルの資材を買って)直す。このループもどうにかしなくてはなりません。
本当にどうしたらいいのでしょう!! とりあえずは、おかしいことはおかしいと言い続けるしかありません。そして、具体的に(オリーブ商品を通じて)繋がっていくこと、パレスチナの暮らしを伝えていくこと。一緒にやっていきましょう。
オリーブオイルの生産者団体「ガリラヤのシンディアナ」と一緒に活動してるマアン(労働者団体)が出した呼びかけは、別投稿します。